肝細胞保護作用
■アルコールによる肝細胞死のメカニズム
- アルコールが肝細胞内で酵素の働きによりアセトアルデヒドになる。
- 一定量のアセトアルデヒドの刺激により、トランスグルタミナーゼ(TG2)と呼ばれるタンパク質同士を結びつける酵素が、細胞質から細胞核に移動する。
- TG2が働き、肝細胞増殖因子受容体c-Metの遺伝子発現をつかさどる転写因子Sp1が過度に架橋結合する。
- 架橋結合したSp1が機能を失うことでc-Met発現量が低下し、肝細胞が死に至る。
■コーンオリゴペプチドの肝細胞保護作用
コーンオリゴペプチドの投与によって、TG2の核内移動及びSp1の架橋結合が抑制されることが観察され、アルコールによる細胞死のステップ1及び2ともにブロックすると考えられる。
これまで、臨床実験でコーンオリゴペプチドによる肝臓保護の顕著な効果が多く観察されているが、この研究により、多くの現象が説明される。